貸金にからむファクタリングは,あなたの会社を破壊します!!
  ファクタリング・債権譲渡を実質的担保として,あくどい貸金をする業者がいます。
 「ファタリングで融資します」という甘い言葉に乗ると,会社を破壊してしまいます。
 ご注意下さい。
 
疑似ファクタリング
 取引行為の実態が貸金であって,取引債権譲渡は貸金の担保と把握できるものには,利息制限法,出資法を適用すべきであり,金融庁,警察庁は,早急に,右のような指針を確定し,不当,かつあくどい貸金業者の摘発をすべきである。
 ファクタリングというような横文字に惑わされてはならない。
 被害は,どんどん広がっていく!!
 
 
金融庁発表令和2年3月6日
 「給料の前払い」などのうたい文句で広がる「給料ファクタリング」という金融取引について、金融庁は6日、貸金に当たるとの初めての見解を発表した。業者はこれまで、取引は債権の売買であって貸金にあたらないとして、貸金業法の上限金利を超える法外な「手数料」を取っていた。
 
 
 建築業界大手のゼネコンらは,下請けに支払う請負代金の支払いについて,「ファクタリングを利用するか」というような,ファクタリング本来の用法を逸脱した使用方法は中止すべきである。ゼネコンらの,このように使用方法が,ファクタリングという言葉を誤解させる要因のひとつにもになっている。
 
 下記「ファクタリングと法規制」は,純粋に理論的な問題を追及しているだけです。
 決して,「ファクタリング・債権譲渡を実質的担保として,あくどい貸金をする業者」を容認するものではありません。ご注意下さい。
 
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ファクタリングと法規制について
 
               大阪弁護士会所属
                   弁護士 五 右 衛 門
 
 
一 問題点の所在 
 
1 最近、多くの業種が参入してきているファクタリング業務について、貸金業者として貸金業法上の登録が必要なのか否か。
  貸金業についての監督官庁である金融庁の見解は定かではない。 
 
2 貸金業法上の貸金の定義は、次のようなものである。
イ 金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介
ロ 手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。
 
3 最高裁昭和48年4月12日第一小法廷判決に従えば、「手形貸付は金銭消費貸借契約であることから利息制限法等の適用があるものの、手形割引の場合は、金銭消費貸借契約ではなく手形の売買と考えられ、利息制限法は適用されない」旨判示されており、「金銭消費貸借、即ち貸金」と「手形の売買、債権の売買」等は、法的には異質のものであることは異論がないと考えられる。
 
4 しかしながら、貸金業法は、上記2のロ記載のとおり、上記最高裁判所の判決の論理で言えば「貸金ではない、手形の売買と考えられる手形割引」についても、その適用対象にしており、貸金業法は、本来の貸金、即ち金銭消費貸借という枠組みを超え、経済的な視点から貸金と同様の機能を有するものについて、貸金業法上の「貸付」と見なして、貸金業法の適用対象、射程距離の中に取り込んでいる。
  従って、貸金業法の適用があるか否かという問題点については、ファクタリングの「法的性格論」とは別に、「貸金業法上の貸付に該当するか否か」という観点からの検討をも行う必要がある。
 その検討をするについて留意すべき点は、貸金業法が消費貸借契約の枠を超えて適用対象範囲を拡大した趣旨と貸金業法の保護法益という観点である。
 
5 貸金業法は、貸金業者の健全経営をはかるとともに個人消費者を保護するためのものであり、他方、ファクタリングというようなものは、通常、事業者間において行われることが多く、「個人と貸金事業者間の取引」というような貸金業法が想定している当事者間の取引とは異なるものであり、ファクタリングを行う事業者間の取引に貸金業法による規制、貸金を受ける者らの保護を目的とした規制の必要性は乏しいものと考えられる。
 
6 以上のように考えると、「ファクタリングについては、貸金業法上の貸付には該当しない」、即ち、「ファクタリングを業として行うものについて、貸金業法上の登録は必要ではない」との結論となる。
 
ご注意  20171012
 
 ここに記載している内容は、弁護士服部廣志の法律家としての検討中課題についての、暫定的な見解です。
 決して、ここに記載していいる見解が「正しくて、実務上も、この見解が採用される」といったもの、そのような保証もないものです。
 後日、間違った見解として批判されることもありえます。
 ご注意下さい!!
 
 
 
7 金融庁が「ファクタリングについて貸金業法上の貸金に該当するか否かを明確にしていない」のは、「ファクタリング業界ないしファクタリング取引の実情と実態を注視して、その規制の必要性の有無等を検討している」ことが理由であるかもしれず、今後、「ファクタリングについて、なんらかの規制の導入」ということも想定される。従って、金融庁の行政解釈ないし金融庁の動向を注視を継続する必要がある。
 
8 結論
 ファクタリング業務は、現時点においては、貸金業法が規制の対象とする取引ではないと考えられるが、買戻し特約付きのファクタリングなどについては、貸金業法上の貸付に該当するという解釈も理論的には可能と考えられるので、貸金業法の適用については柔軟な対応準備をしておくのがよい。
 
二 あるべき規制方法などについて
 
1 ファクタリングと金銭消費貸借とはその内容が異なるものであり、それらの取引を行う事業体も異質の事業体であるとの見方も可能であり、ファクタリングという取引は、貸金業登録をしている業者というより、債権回収等を業とする会社(いわゆるサービサー)その他の会社が行う事例が多いものと推測される。従って、ファクタリングという取引についての所管官庁としては、貸金業法を所管する金融庁よりも、民商法、サービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)等を所管する法務省のほうが適任であるとも考えられる。
 
2 また、貸金業法は、貸金業者が譲渡した貸金債権についても貸金業法の適用を認め、債権譲渡による貸金業法の潜脱を防止しており、貸金業法は貸金業者の保有する貸金債権とそれ以外の債権とを区別していると考えられ(鶏が先か、卵が先かという議論になる懸念もあるが)、このことから、貸金債権以外の債権譲渡、例え買い戻し特約付きの債権譲渡であったとしても、貸金業法の適用対象外という解釈も論理的には可能である。
 
3 以上から、ファクタリングについての何らかの規制が必要であったとしても、貸金業法の適用対象に取り込むという方法、態様よりも、新たな立法によるのが妥当と考えられる。
 
三 参考−検討課題
 
 法務省大臣官房司法法制部審査監督課作成にかかる「債権管理回収業に関する特別措置法(以下「法」という。)の実施に係る審査及び監督並びに不利益処分の基準等を明らかにすることによって,債権回収会社の業務の適正化を図ることを目的とするガイドライン・事務ガイドライン」2−3−1の(2)のアにおいて、
 一般に兼業の承認申請が必要な例として、下記のような記載がなされており、その中で、「貸金業務」と「特定金銭債権以外のファクタリング業務」が並列記載されている。この記載の仕方からすれば、「貸金業務」と「ファクタリング業務」は異なるものである、即ち「ファクタリング業務と貸金業務とは異なる」と法務省が考えていると推察される。一般論として異質のものであることについては異論はないと考えられることから当然でもあるか。
 2−3−1の(2)のア
     ○  貸金業務
     ○  不動産鑑定業務
     ○  特定金銭債権以外の金銭債権に係る集金代行業務
     ○  特定金銭債権以外のファクタリング業務
     ○  特定金銭債権に係る担保不動産以外の一般の不動産の売買,交換若しくは貸借又はその代理若しくは媒介を行う業務
 
 今、問題としているのは、ファクタリング業務が、貸金業法により拡張された、「いわゆる貸付」に該当するのか否かということであるから、上記法務省作成のガイドラインは問題解決とは関係しないか??
 
 平成22年2月9日国総建第230号国総建整第257号財団法人建設業振興基金理事長あて国土交通省建設流通政策審議官からの通達によると「下請資金繰り支援事業」として「ファクタリング事業者(債権の支払期日前に債権者から債権を買い取り、その債権金額から当該金額に買取料率を乗じて得た金額を差し引いた金額を当該債権者に支払う事業を行う者をいう。)が積極的に買い取ることを促進することによって下請建設業者等の資金繰りの円滑化を図るため、財団法人建設業振興基金( 以下「基金」という。)が、債権買取時における下請建設業者等の金利負担を軽減するため助成を行うとともに、買い取った債権の全部又は一部の回収が困難となったためファクタリング事業者に損失が発生した場合に当該損失(以下単に「損失」という。)の補償を行う」としている。そして、「本事業を実施するファクタリング事業者は、次に掲げる要件をすべて満たす者であって、基金が認める者とする」とし、ファクタリング事業者として、「貸金業法(昭和58年法律第32号)第3条に基づく登録を受けていること」を要求している。
 
 ファクタリング業務については、その中味には多様なものがあり、一律に論じることはできないが、ファクタリング業務の内容如何によっては、上記サービサー法による認可を受けない者がファクタリングを業務とすることは弁護士法73条(何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない)に違反するおそれが認められる場合もあり、また貸金業法に抵触する場合もあると考えられる。
 
四 ファクタング会社一覧
 
1 https://dl.liskul.com/perfectguide/factoring?fbclid=IwAR3imEUjqrCYRAdTWu_Hr0hq2eS8Taj4IZooDsF_plV4eMtl9PNaDsB3weU
 
2 上記一覧に含まれる会社の中には,「あくどい貸金業者ではないか」と疑わる会社も記載されている。
 
3 「ファクタング」,,まず,避ける、そして,慎重に,注意する!!