密室の拘禁

 身に覚えのない「殺人の嫌疑」で、服部二郎は突然逮捕された。
「僕じゃ・・ない!!」

と言っても、聞いてくれようと・・しない。

 捜査官牧村喜正は、ダバコを吸いながら、笑って、相手にしてくれない。

 「僕じゃない。僕じゃない・・・」

言葉の続く限り、牧村喜正捜査官に訴えた・・・!!

 「僕じゃ・・・ないよ・・・!  僕じゃ・・ない!」  「僕じゃ・・・・」

 3日・・が・・・経過した。
 毎日、毎日・・・同じ問答の・・・繰り返し!

 「おまえだろう・・!!」

 「違います!! 違います!!」
 「僕は、そんなことは、しません!!」

   一週間が経過した。
 いくら、弁解しても、聞いてくれない!! 聞こうとして・・くれない!!
 疲れた・・・・・!
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ヘビースモーカーの私は、取り調べの時だけ、捜査官牧村喜正の前に正座して、座っているときだけ、捜査官牧村喜正の好意(?)により、タバコを吸える・・・・留置房では吸えない。

 いくら、弁解しても、誰も聞いて、くれない。
 捜査官牧村喜正の前に正座するときだけが、楽しみ・・!!
 タバコが吸える・・・牧村喜正さん、タバコ、くれませんか・・・・・?
 私の世界にいる人間は・・・何もできない僕と・・・絶対的権力者牧村捜査官だけ・・!

   牧村捜査官に迎合し、牧村捜査官の一挙一動に敏感に反応する・・僕。

 犬、猫のように、牧村捜査官の・・顔色をうかがうことしかできない・・・僕。

 もう、ダメだ!!
 いくら、弁解しても聞いてくれない・・!!
 そうだ!! 竹馬の友、岩田弁護士がいる。
 牧村捜査官の言うとおり、「僕が、彼女を殺しました」という調書にサインして、岩田弁護士のところへ、行こう。彼なら、助けてくれる・・・・!!



今、僕は、「僕が彼女を殺しました。二人の関係を妻に言うというので、カッ?となっ て首を絞めたのです」という、僕のサインのある検察官調書が証拠として採用された刑事法廷に立っています・・・・・・・・

 裁判官は、「人を殺していない者が、人を殺したという調書にサインなどするわけ がないでしょう」・・・・という冷たい目で・・僕を・・見ています。



 密室の拘禁・・・!!
 人間は、疲れたら・・・眠りたい
     タバコが切れたら・・・タバコが・・欲しい・・・!!
 人間は、人間である前に・・動物である。
 動物的な欲求が、抑制された時・・・人は異常になる・・・・!!