虚業物語

    ・・・・・・・・・・(はじまり、はじまり)・・・・・・・・・

    り〜〜〜〜ん
          り〜〜〜〜ん
    (借財 多苦さん)
        はい、借財 多苦さんです。
     
    (虚業事務所担当者)
       借財さん
       あなた、今日、約束の弁済金入金していないな!!
       どうなってるんだ!
     
    (借財 多苦さん)
        すみません。
       明日、、、、
         明日、
        なんとか振り込みしますから・・・

    (虚業事務所担当者)
       明日やな
       明日、間違いなく振り込むんやな!!
       よし、待っているぞ!!
       元利合計残高は、12万円やぞ!!
      

        ・・・・・・・翌日・・・・・・・・・・

    り〜〜〜〜ん
          り〜〜〜〜ん
    (虚業事務所担当者)
       はい、虚業ですが゛・・・・

    (借財 多苦さん)
       あの〜〜〜
       借財 多苦さんです。
       あっ の〜〜
           少し、お待ち下さい!!

    (弁護士毎日 虚男)
       すみません。
       弁護士の毎日 虚男と申しますが、、
       実は、今、借財 多苦さん氏から債務整理の相談を受けているんです。
       貴社に対する債務残高を利息制限法で弾き直して計算すると、
       既に、債務はないんですが・・・
          ・・・・・・・・・・
       債務は存在しない、
          ということでいいですね!!

    (虚業事務所担当者)
       えっ、、、、
         えっ・・・・・・
    あっ、の〜〜登録番号
          教えて、くれません??
       最近、弁護士をかたる人、多いもんで!!

    (弁護士毎日 虚男)
       登録番号は、110番です。

    (虚業事務所担当者)
       はっ、はい、
         わかりました!!
        (さよ、、な、ら〜〜〜)

    ・・・・・・・・・・・(おしまい)・・・・・・・・・・・・・・・・・

    蛇足

     1
    法律が認める金利には、法定利率、利息制限法利率出資法上限利率等の各種の金利がある。
     多くの貸金業者は、貸金業法を遵守していない場合が多いので、利息制限法を超過する利息の受領は認められない(貸金業法を遵守すれば認められる場合がある)。

     2
    最近の悪質な金融業者らは、
    イ 保証料名目で利息金をとったり、
    ロ 高速道路のチケットを料金後払いで販売したという物品売買に仮装して、実質は貸金をするなど、手口が巧妙になってきている。

     3
    また、ヤミ金融業者らは、例えば5万円を貸し付け1週間毎に利息金1万円を支払わせるなど出資法に違反し刑罰を受けるような高利の利息金を取ったりしている。
     借り主の、「返済しなければ・・」という負い目の心理に乗じて暴利を獲得しょうとしているのである。

     4
    虚業が繁栄している、、この世の中
       何かが、狂ってきているのかもしれない??

     備考

      法定利率
        民事法定利率・・・・・・年5分
        商事法定利率・・・・・・年6分

      利息制限法上限利率(遅延損害金)
        10万円未満・・・・・・・年20%(29.2%)
        100万円未満・・・・・・年18%(26.28%)
        100万円以上・・・・・・年15%(21.9%)

      出資法上限利率
        1日あたり、0.08%
     
    (気まぐれ実話社・刊)
    - 2002.12.24掲載-