DNA型鑑定

 

 科学技術の進展は新しい鑑定を生む。

 ヒトの細胞の核内に存在するというDNA(デオキシリボ

核酸)の塩基配列の一部に、各個人により配列の仕方の異な

る部分があり、しかも同一人物の場合、塩基配列はすべての

細胞について同じであって、生涯変わることがない(例外部

分あり)、という点に着目し、この個人により異なる配列部

分の違いを分析して、個人の識別を行う鑑定方法である。

 警察庁科学警察研究所の採用するシングルローカス法(特

定の染色体上の遺伝子部分に存在するDNAの多型を探す

方法)によると、M方式では遺伝子の型により人間を435

分類でき、Y方式によると91分類、C方式で231分類、

H方式によりと21分類できるという。

 このような4分類の出現頻度を算出し、その頻度をかけあ

わせれば、4種類の型について、「同一の型を有する人間の

現れる確率」を算出することができる。

 4種類の出現頻度をa分の1、b分の1、c分の1、d分

の1とすると、同一の型を有する人間の現れる確率は「a、b

、c、dを掛けた分の1」ということとなる。

 この出現頻度は人種により異なるらしい。科学警察研究所

の所有する蓄積データーは日本人のもの。

 血液型鑑定と同種の鑑定方法といえる。

 血液型鑑定とDNA鑑定を併用され、「君が被害者の体内

に残した・・・と君から採取した血液による鑑定結果は一致

する」と言われたら・・・スミマ・・セン・・というしかな

い・・か・・!?!

 最高裁第2小法廷・平成12年7月17日付決定

 DNA鑑定について、「科学的原理は理論的に正確」と

判断し、刑事裁判における証拠能力を肯定した。

 但し、科学技術の発展で新たに解明された事項なども加味

して慎重に検討されるべきである、と付言している。  

 平成12年7月19日付毎日新聞

  今回の決定も、証拠評価には「慎重な検討」が必要と指

摘している。資料の採取、保存、管理などを人間が行う限り

、ミスが生じる可能性は否定できず、その意味での慎重さが

求められている。

 今後の課題 

 毎日新聞も指摘するとおり、資料の採取、保存、管理等に

ミスや人為的操作を排除するための工夫、方策を講じなけれ

ばならない。

 密室の、かつ高度の専門的知識でなされる鑑定について、

弁護人が、その問題点を把握、反論することは極めて困難と

推測されるからである。