検 察 庁

 

1 検察庁の組織

  検察庁のトップは・・検事総長

   検事総長を補佐する・・次長検事

   そして全国八高等検察庁のトップ8人が・・検事長

  この検事総長、次長検事そして8人の検事長の合計10人は、内閣が任命 し、天皇が 認証する認証官である。

  各省の官僚のトップである事務次官ですら、認証官ではない。認証官とい うのは、それなりに重要な職務であるという証でもある。

  検事総長を除く9人の中で、東京高検検事長はNO2と目されている職務 であり、通常東京高検検事長が昇格して検事総長になる。

   給与でも、東京高検検事長は、次長検事や他の検事長より高額なのであ る。

 

2 検察庁と法務省

  検察庁は法務省の外局であり、本局は法務省である。

  法務省には法務大臣がいるので、上級官庁である。

  しかし、法務大臣を除くと、実質上検察庁が法務省を呑み込んでいる・・ 外局が本 局を呑み込んでいる。

  法務官僚のトップである事務次官から、検事長、検事総長と昇格していっ ているのであり、本局のトップは外局のトップではなく、序列は下なのであ る。

  外局の方が、本局より強い(大臣を除けば、であるが)という官庁は、こ こだけであ る。

 

3 法務省と国家公務員試験

  通常各省の高級官僚になるためには国家公務員試験に合格し、各省に採用 されるいわ ゆるキャリアであることが必要である。

  しかし、国家公務員試験を合格して法務省に採用されても出世はできない。

  法務省を牛耳り、法務省で出世するためには「検事」でなくてはならず、 従って、司法試験に合格していることが必要なのである。

  法務省の主要官僚は殆どが検察官であり、民事関係の部局、例えば民事局 の局長などは「裁判官」に一時的に検察官になって貰って、出向してきて貰 っているのである。