危機管理ネットワーク情報小誌
    きけんほけんVOL12−巻頭署名記事
          危機管理ネットワーク、オーシア事業部
                (大阪府保険代理業協同組合)
////////////////////////////////////////
   ノックアウト寸前!!  奇跡の生還!!
−−−−救いの女神!! 再び生かしてくれる法律−−−−
     民  事  再  生  法
 
 本年4月1日に、民事再生法が施行された。
施行後、約2ケ月で、申立件数は既に100件に達したという。
 
一 どんな法律???
 
1 倒産後の−お葬式−をする法律(破産法)ではない。
2 倒産直前に−倒産を防止するはずであった法律(従前の和議法)のような硬直さは−ない。
3 和議法を−もっと柔軟に運用し−手続きを簡素化し、従前の法律が認めていなかった抵当権者らの担保権者の権利行使にも−制限を認める−画期的な法律
4 使いやすく−企業の再建を可能にする−新しい和議法
5 従来の経営体制のまま企業を再建することを可能にし、また、企業再建の一手段として「営業譲渡」をも認める制度。
 後者の営業譲渡を活用していくと、ノックアウト寸前の企業主体から−存続させ得る価値ある組織体及び従業員らを分離して−これを存続、再生させることをも認めることとなる。
 企業経営に失敗した経営者や、そのような経営者を選任した株主から、切り離された「企業そのもの」の再生を可能にする。
  存続させ得る価値ある組織体と従業員らを−まさに「企業」を存続、再生させることをも可能にするユニークな制度ともなり得る。
 
二 中小企業経営は、戦国淘汰の時代、地獄でもある。
  「言葉は美しく、内実は醜い」ある種の銀行ら金融機関経営者らが、まき散らした「金融不安」と「生活への不安感」が経済を収束、失速させた。
 しかし、IT(情報技術)革命という「新たな社会」が、この世界を、ねじ曲げ、新しい社会を創造しょうとしている。
  あたらな変革の時代には、法律も制度も変わる。
三 「新しい社会」の創世は、知恵と汗を流し、そして積極的に社会の変革の行く末を見つめ、利用可能なあらゆるものを活用して、生きて行こうと努力し続ける人間に、光明を与えるだろう。
 
四 社会が、世界が、ねじ曲げられていくのを、ただ傍観しているだけの企業経営者は、もうすぐ、こう言われるだろう。
 あなたは、
     水戸黄門になりそこねた、
             この世の化石です−−と。
////////////////////////////////////////
         大阪弁護士会所属
            弁護士  服  部  廣  志